〜望郷篇〜

第１１回＜１２月２１日＞ 　トンバンにプロポーズし，韓国に彼女の家族に結婚の許しをもらいに来たチョナン。父親は猛反対。「あきらめはついたか」と父。「いいえ。聞いてください」とチョナンは語りだした。 　「ボクはこれまでに，いろんな韓国人に会ってきました。韓国だけでなく，日本でも。そこで知ったこと・・それは，韓国の人々がいかに自分の国や民族に誇りを持っているかと言うことです。命を張って国を守る軍人さん・・差別をバネにしてがんばってきた在日韓国人の夫婦・・・彼らと語り合うことで，ボクはより韓国と言う国と韓国人が好きになり，あこがれました。韓国の人々が国を愛するように，それぐらいの気持ちで自分もトンバンを愛していきます。命を懸けて」 　「お祖父さん。確かに過去は消せません。でも，未来はこれから作っていくものです。ボクが歴史を変えて見せます」 　この言葉にお祖父さんも納得。父親も・・・「本当に命懸けで娘を守ってくれるか？」。「勿論です」とチョナン。そして・・・「娘を・・・トンバンを・・頼む」。父親から許しの言葉が出た。「本当ですか？カムサハムニダ」とうれしそうなチョナン。 　日本人男性と結婚する韓国人女性は近年増え続けている。でも逆に，韓国人男性と結婚しようとする日本人女性は少ない。もし，韓国人男性と結婚しようと思うならば，姑さんに注意。なぜなら，韓国では姑さんは「唐辛子よりも辛い」と言われている・・・ 　また韓国では，結婚をしても姓は変わらない。夫婦の間に産まれた子は，父親の姓を名乗る。 　トンバン家では，チョナンを交えて，宴会で盛り上がっていた。チョナンは「今からボクの好きな歌を紹介します」と，いつもの「アチムヘルポロカジャ」を歌い出した。お酒の用意に台所へ行っていたトンバン。気分が悪そう・・・もしやつわり？ 　半年後・・・ 　トンバンとチョナンが電話で話をしている。トンバン「今日は何時ぐらいになりそう？」。チョナン「あとコント１本撮るだけだからそんなにかからないよ・・それよりお腹の子は元気？」。「今日もすごく動いていた」と大きくなったお腹をさすりながらトンバン。チョナンは「そうそう名前思いついたから帰ったら発表する・・慎吾が来たから切るよ」。 　スタジオの廊下。チョナンとSHINGOが楽しそうに話をしている。チョナンはもちろん韓国語で，SHINGOは英語で。SHINGOは「赤ちゃんの名前はきめたの？」と。きめたけれど教えないと言うチョナン。SHINGOは当てることに。「チョナン・キン？・・チョナン・コン？・・・男の子？女の子？」。「SHINGOには関係ないから」とチョナンは教えない。「教えてくれよぉ」とSHINGOが言っても「うるさいなぁ」と相手にしない。するとSHINGOは「チョナン・ポン？」。チョナンは「早く仕事に行こう」と相手にしない。さらにSHINGOは「チョナン・チョナン？」。チョナンは「早く行こうって」とやっぱり相手にしない。SHINGO「冗談だよ」。チョナン「アホ・・話にならない」。 　この３ヶ月。日本にいる多くの韓国人と積極的に接触してきたチョナン。ある時は街で韓国人を捜したりもした。そんな彼の本当の目的は何だったのか？一方不気味な行動をするソニン・・・ 　２００２年。「チョナン・カン」は第３幕へ突入・・・・

第１０回＜１２月１４日＞ 　トンバンにプロポーズをしたチョナン。二人はその日のうちに韓国へ。まず訪れたのは，明洞の屋台。あの夫婦の元だった。二人に結婚の報告をするチョナン。チョナンの前では祝福しているような夫婦だったが・・・。チョナン達が去った後，おじさんは「うまくいくかな」。おばさんも「心配だわ」。「うちの娘だったらちょっと考えちゃうな」とおじさん。さらに二人の結婚について，チョナンゆかりの方々に聞いてみる。まずＭＢＣ（テレビ局）で，チョナンが初出演したドラマの監督に聞くと「両親には認められたの？」と。チョナンのプロポーズが「一緒のお墓に入ろう」だったと知ると「マジで？ちょっと怖いね。韓国でそんなプロポーズしたら，女の子が引いちゃうよ」。実は韓国では，夫婦が一緒のお墓に入る習慣がなかった。そして女性放送作家のみなさんにも意見を聞く。「家の親なら反対する」「文化の違いもあるし，上手くいくかなぁ」「浮気したら殺されるよ」。いろいろ語り合った軍人のキムさんは「韓国人と国際結婚・・・親は許したの？」。まだだと知ると「それはまずいな・・・韓国女性はかわいいけれど，気が強いよ」。みんながみんな不安を抱いていた。 　そのチョナンとトンバンは，トンバンの家へ。「緊張するなぁ」と家に入っていくチョナン。かなり大きな家で驚く。そこで家族と対面した。祖父母・両親・兄・妹。父親は不機嫌だ。兄は日本語で話しかける。商社に勤めていて日本に行ったこともある。妹は，雑誌で日本のことを少し知っているようだ。ここまでは楽しそうに談笑していたのだが・・・「で，今日は？」と父親が初めて口を利く。チョナン「実は，大事なお話があって・・・娘さんをください」とまじめに切り出す。そっぽを向いたままの父親。チョナンは「ボクとトンバンは，真剣に愛し合っています。この人しかいない・・お互いそう思っています。だから，僕達の結婚を許可してください」と真剣にお願いする。父親は「韓国人と日本人の結婚がどういうことなのか，君はわかっているのか？好きだとか，愛だとかで片付けられない問題があると思うのだが。その辺りはどう考えているんだね？」と強い口調で質問してくる。チョナンはまっすぐ父親を見つめ「自分は韓国という国と韓国人が大好きです。韓国である目的のためにがんばっているときに，娘さんと出会いました。彼女の優しさに何度も救われました。そしてボクはいつしか恋をしていました。好きになった女性が，たまたま韓国人だった，ただそれだけです」と自分の意見を言う。しかし父親は「ただの国際結婚とは違うんだよ！」と強い口調のまま。「それはわかっているつもりです。絶対にトンバンを幸せにしてみせます」とチョナン。父親は「口だけならどうだって言えるんだ」と相手にしない。すると今まで黙っていた祖父が「私は昔，日本人と戦っていた。その時，日本人によって私達は弾圧された。そう言う歴史があるんだ。過去は消せない」と言い出した。父親も「君は韓国や韓国人のことを何もわかっていない！そんなヤツに娘をやるわけにはいかん！！」と全く認めようとしない。 　洗面所に一人たたずむチョナン。そこへトンバンの兄がやってきた。たばこを勧められるが「大丈夫です」とチョナン。そして「なんで向こうで吸わないんですか？」と不思議がる。兄によると，韓国では目上の人の前でたばこを吸ってはいけないそうだ。「父や祖父は，日本人と聞くとどうしてもああなっちゃうんだ。でも，後もう一押しだよ。がんばって。オレは応援しているから」と兄。チョナンは「ありがとう・・・やっぱり１本ください」と兄からもらったたばこに火をつける・・・。

第９回＜１２月７日＞ 　タクシーを拾い乗り込むチョナン。「新宿まで」と韓国語で伝える。そのころ，クリスマスツリーの前で誰かを待つトンバンの姿が。トンバンは，ソニンから電話をもらっていた。その内容は・・・「チョナンが明日の１０時，新宿NSビルのクリスマスツリーの前で会いたいって。絶対に来てほしいって」。その伝言通り，ずっとチョナンのことを待っているトンバン。 　チョナンはタクシーの中で「時間がない」と焦っている。ソニンと会ったときのことを思い出す。ソニンが「トンバン，私達のこと誤解してた。いいの？放っておいて。今こそ本当の気持ちを彼女に伝えてあげて」とチョナンに言ったのだった。タクシーは渋滞に巻き込まれ，全く動かない。「アジョシ（運転手さん）」と韓国語で話しかけるチョナン「何でこんなに混んでいるの？」。運転手さんは答えない・・・。待っているトンバン。「アジョシ！・・アジョシ！パルリ　チョムガ　ジュセヨ！（急いでね）」と韓国語で言うが反応なし。「アジョシ！」。まだ待っているトンバン。時間が過ぎていく・・・。「アジョシ・・・アジョシ？ナエヌン　シガニ　オプソヨ（時間がないんだよ）クロニカ　パルリジュセヨ（だから急いでよ）！・・・アジョシ！」。やっと動き出し，ホッとするチョナン。 　動き出すと今度は「シンジュクヌン　イ　クンチョエヨ（シンジュクは近い）？」と運転手さんに尋ねるが，答えはない。「アジョシ！・・シガニ　オルマナ　コルリョヨ（時間はどれぐらいかかる）？」と質問しても運転手さんは答えない。「アジョシ！」。まだ待ち続けるトンバン。「アジョシ・・ハングマル　コンブハセヨ（韓国語勉強してね）」。やっとタクシーが到着した。「今日は緊張しているけど，ボクはやるよ！」と決意表明し，ビルの中へ。 　「トンバン！」チョナンが叫ぶと，チョナンの姿に気づくトンバン。やっと出会えた二人。チョナンが駆け寄り，見つめ合う二人。チョナン「トンバン。黙って日本に帰ってきて済まなかった。ボクにはどうしてもやらなきゃならないことがあったんだ。でも，君と会わなくなって気づいたよ。ボクにはもう１つやらなきゃいけないことがあるって。トンバン，よく聞いてよ。なんて言うか・・・その・・・トンバン，えっと・・・・トンバン，ボクと一緒のお墓に入ってくれ」。「えっ？」とトンバン。チョナンは続ける「ナワ　キャロンヘ　チョッスミョン　チョッケッソ（ボクと結婚して欲しい）」。抱き合う二人。周りのギャラリーからは拍手が。幸せそうな二人。チョナンはみんなに向かって「ヨロブン！カムサハムニダ！みなさんもお幸せに」とうれしそうに叫ぶ。また抱き合う二人。するとトンバンが「一つ聞いてもいい？一緒のお墓にってどういうこと？」と。「わかってなかったの？日本の一般的なプロポーズの言葉で，死ぬまで一緒，死んでも一緒にいようねってことだよ」とチョナンが説明すると「モッチダ（素敵）！」とトンバン。また抱き合う二人。そんな二人のことをこっそり写真に収める女性が・・・ソニン！そんなことを知らない二人。トンバンが「スタアの恋」を見たというと，感想を聞くチョナン。「結構良かったよ」と言われ「うれしい」と喜ぶチョナン。そしてソニンの方は，誰かに電話を掛け「うまくいった。完璧よ」。 　カフェにチョナンとトンバンの姿が。チョナン「お父さんって怖い？」と。トンバンによると，結構厳しく，家の中では一番偉い「典型的な韓国のお父さん」だとか。心配そうに「強いの？」とチョナンが尋ねると「テコンドーやっているから」とトンバン。お父さんは「韓国と日本の間にはいろいろな問題があるよね？そう言う日本との問題に関して，自分なりにちゃんと考えを持っている人。それに韓国や韓国人にすごくほこりを持っている人」だとか。お母さんは優しい人で，一番優しいのはおばあちゃんとか。トンバンの家族は，両親・祖父母・兄・弟・妹そしてトンバンの８人家族。これには驚くチョナン。弟は今軍隊に行っているから，明日家にいるのは７人だという。「緊張してきた」とチョナン。 　韓国仁川空港。そこにチョナンとトンバンの姿が。「やっぱり韓国最高！早く来たかったぁ！」とチョナン。「それにしても明日緊張するな」と言っている・・・ 　大家族を前に話をしているチョナンの姿が・・・。

第８回＜１１月３０日＞ 　東京で働き始めたトンバン。 　「チョナンとの恋は終わりました。韓国で彼と過ごした日々・・。ＳＭＡＰのメンバーだとは知っていたけれど，実感はなかった。でもいざ日本に来てみると，やはり彼は超有名人。私とは住む世界が違う人だった。」 　「でも，チョナンのおかげで日本が大好きになりました。チョナンとの想い出を胸に，もうしばらく日本で暮らしてみよう，そう決心しました」。 　「でも，まさか，こんな形で再会するとは・・・」 　トンバンの働くカフェに，ソニンがやってきた。そして・・・チョナンの声が！ソニンと待ち合わせをしていたのだった。楽しそうな二人。そんな二人を黙って見つめるトンバン。「いろいろ考えたんだけど・・・驚かないでよ」と話し始めるチョナン。「ボク，まじめに結婚を考えているんだ」。この言葉を聞いてしまったトンバンに衝撃が走る。 　いつもの店。グラスを傾けるトンバンの姿があった。「日本の男は軽すぎる。日本の男，もう信じられない。どうしてすぐ結婚とか口にするの？ひどい・・・マスター，ひどいと思わない？」。黙って見守るマスター。「黙ってないで，何とか言ってよ」と言うトンバン。そこへソニンがやってきた。ソニンを見つけ，しばらく考えていたトンバン。思い切ってソニンに話しかける。「あの男はやめた方がいいわ。あの男は軽すぎる。あなたはまだ若いから気づかないかも知れないけど・・・騙されているわ。もしかしたら，韓国人だったら誰でも良かったのかも知れない・・・」ときつい口調。何を言われているのか分からない様子のソニン。そして・・・「あの・・もしかしてトンバン？そうでしょ？トンバンでしょ？」とソニンが言うと，なぜ自分のことを知っているのか不思議がるトンバン。「あなたのこと，チョナンから聞いています」とソニン。「『一番大切な人』だって。今までも・・・そしてこれからも。どうしてもやらなきゃいけないことがあって，日本に帰ってきたけど，それが叶ったら，あなたと結婚する。結婚したいって」。「私と結婚？」とトンバンは驚いている。ソニンは「羨ましい。お幸せに」と。「ありがとう」と言うが，トンバンは戸惑っている。そのトンバンを，ちょっと寂しげな顔で見るソニン。 　そのころ。チョナンは，いつものように街に出て，いつもの活動をしていた。「みなさん，ご協力ください！この中に，韓国人の方はいませんか？いたら手を挙げてください！」。何度呼びかけても，誰も手を挙げない。「いませんか？・・韓国人の方がいませんね・・・」。時間が来て「帰らなきゃ」と去っていくチョナン。この日は日比谷だったが，韓国人の方を見つけることができなかった。 　トンバンは，ソニンに教えられたチョナンの本心を知って，心が揺れていた・・・・。

第７回＜１１月２３日＞ 　チョナンは女性と歩いている。でも，その相手はトンバンではなく・・・ソニンさん（EE JUMP）。なんだか意気投合している様子。チョナンが「ボクは韓国でスターになりたいんだ」と言うと，ソニンさんは「映画に出てスターになって，有名になりたいの？」。「イェ。応援してね」とチョナン。ソニンさんは「私も韓国でライブをやって，有名になりたい」と。「ソロ　ヒムネプシダ（お互いにがんばろうね）」とチョナン。 　いつものお店。マスターが，もうすぐ結婚式を挙げる在日３世の方が来るという。「結婚って考えたことがある？」とマスターが尋ねると，「結婚か・・」と考え込むチョナン。そのころトンバンは，あのフジテレビにある「スタアの恋」の巨大ポスターの前に立っていた。今日はもう涙は見せない。「日本でのあなたは，私には釣り合わない立場の人だった。だから・・身をひきます」と。チョナンとの韓国での想い出を振り返る。「あなたとの日々，とても短かったけど，ホントに楽しかった。アンニョン　チョナン」。チョナンポーズをしてその場を立ち去るトンバン。 　マスターの紹介で一週間後に結婚式を挙げる在日３世のチャンさんとイさんと話をする。二人が出会ったきっかけはお見合い。チョナン「それまでに日本人とはおつきあいとかなかったの？」。チャンさんは，前は日本人の方ともつきあっていたが，育った環境も違うし，在日では親戚つきあいが多く，相手に負担を掛けたくなかったので別れたとか。チョナンが「今の彼女はどの辺が良かったんですか」と尋ねると，「やっぱり同じ境遇にいて，育った環境も一緒だったから。そして何より食生活が同じなのが大きいですね。食べると言うことは，毎日のことですからね。やはり大きい物です」とチャンさん。二人が毎日食べる物は，キムチだとか。 　「日本で育ったのに，どうして韓国語が話せるの？親が教えてくれたの？」とチョナン。チャンさんは，親に教えてもらったのではなく，高校卒業後，勉強のために７年間韓国に留学していた。韓国語をほとんど知らずに留学。「韓国で歓迎されるとは思わなかったけど，みんなから突き放されるとは・・・母国だと思っていたのに。ここでも日本と同じというか・・やはりショックでしたね」。そんなチャンさんも，留学のおかげで，いい意味で性格が変わったとか。日本にいるときは引っ込み思案で，あまり話をしない方だったけれど，韓国では伝えたいことをはっきり言わないと暮らしていけないし，何も解ってもらえない。「そう言う意味でボク自身，かなり強くなれた」。「そうだよね。韓国の人って，はっきり物を言ってくれるよね」とチョナン。 　二人の結婚式は日本風ではなく，在日韓国系の協会で式を挙げ，披露宴の衣装直しでは，民族衣装を着たりする「標準的な在日韓国式の結婚式」。日本の四季と一番違うところは，格式張った雰囲気ではなく，村のお祭りのような雰囲気だとか。 　あまり発言をしないイさんに「彼女は韓国語話せるの？」とチョナンは尋ねる。「ほんの少しだけ」という答え。自分たちの子どもには，韓国語を教えたいというチャンさん。でも「国籍については，自分自身いろいろ悩んだ分，子どもには悩んで欲しくないと思うんです。だから子供が産まれたら，日本に帰化させようと思います」。ただし，イさんは「難しいですね」という答え。イさんは，学生の頃から民族サークルに入っていたこともあって，民族意識が強く，気かは考えていないそうだ。家族で帰化の話が出たときも，一番反対した。「その問題は，これからゆっくり考えたいです」とイさん。 　「今日はありがとうございました。素敵な結婚式になると良いですね。いつまでもお幸せに」とチョナン。 　数日後，二人の結婚式が行われた。「結婚というのは，結ばれる二人だけでなく，家族，親戚等周りの人たちも結ばれると言うわけで，いろんなことが関係して来るんだ。結婚って何だろう・・・ボクはどんな結婚式を挙げるのだろう」。 　代官山。「みなさん，ご協力ください！この中に韓国人の方はいませんか？いたら手を挙げてください」といつもの活動を始めるチョナン。でも，新宿のように人も集まらず，韓国の方も出てこない。「いませんねぇ・・・帰ろっかな」と一人帰っていくチョナン。 　その代官山のカフェで，片言日本語で働く女性が・・・トンバンだ！

第６回＜１１月１６日＞ 　チョナンが日比谷公園でのんびりしているとき，トンバンはフジテレビにある「スタアの恋」の巨大ポスターを発見し，涙を流していた・・・ 　いつもの店。マスターに「日本にもたくさんの韓国人がいるんだね」と，新宿での出来事を話していた。マスターは「日本の芸能界にもたくさんいるよ。一人紹介するよ。ＳＭＡＰのファンだって言うし・・」 　そうして紹介されたのは，EE JUMPのソニンさん。ＳＭＡＰのファンで「全員が好き」。チョナンが問いつめると・・・「昔，結婚したいほど好きだったのが・・中居君」。「悲しい・・」とチョナン。ソニンさん「今は全員が好き」。それを聞いてちょっとうれしそうなチョナン。ソニンさんは，在日３世。小・中・高校と民族学校へ通った。高知出身だが，高知には民族学校がなく，小・中は松山で寮生活をしながら，高校は神戸の祖父母の家から通った。民族学校では，韓国語を話し，先生の前で日本語を話すと怒られた。 　チョナン「彼氏にするなら韓国人？」。ソニンさんは「やはり韓国人が好きです。でも日本に住んでいるから，日本人を好きになるかも知れない」。以前，お姉さんが日本人の彼とつきあったとき，お父さんがものすごく怒って，初めてお姉さんに手を挙げたとか。「お父さん達には抵抗があるみたい」。チョナン「差別をうけたことは？」。「全くないです。在日だってことを特別意識したこともない」とソニンさん。お父さんの場合は知らないけれど，お祖父さん・お祖母さんは１世だから「いろいろ差別されたと思います」。 　チョナン「ボクあの曲好きだよ」。その曲とは「アチャチャチャ　ヨルシダ（おっととっと夏だぜ）」。「ユウキ君もいなくなって大変だよね。あの曲もう歌えないね」とチョナン。ソニンさんも「寂しいんですよ，一人で歌うの」。そして外で二人で歌い出す。もちろん韓国語バージョン。ソニンさんは新曲「WINTER〜寒い季節の物語〜」を続けて歌い，チョナンは隣で聞いている。 　チョナンが「がんばっているね」と言うと，ソニンさんは「夢があるから・・韓国でライヴやりたい」と。チョナンも「ボクもやりたいよ」。ソニンさんは，まだ韓国へ行ったことがない。「私の故郷がどんなところなのか見てみたい。もし韓国でライヴをやるなら，向こうにいる親戚とか呼んで盛り上がりたいんです」。それを聞いたチョナンは「かなうと良いね，その夢。その時にはこの曲も歌ってよ」と，今度は「アチムヘル　ボロ　カジャ」を二人で歌う。 　代官山。突如登場したチョナンは，またもや「みなさん！ご協力ください！この中に韓国人の方いませんか？」と探し始める。 　いつものあの店にトンバンの姿が。するとソニンさんもやってきて・・・

第５回＜１１月９日＞ 　トンバンは，まだチョナンを探し続けている。「探しているんですか？」と聞かれ「私の大切な人」と答える・・・ 　一方，チョナンは，安さん（奥さん）にあっていた。以前，お宅に伺ったとき持っていったキムチの味は散々・・。もう１度作って食べてもらうことに。「今回は材料も吟味したんで自信あります」。その場で食べてもらうと・・・「すごくおいしい」と誉めてくれた。自分で食べてもおいしかった。別の容器にお土産として用意してあった。「ミヨンとユサにも」と。キムチを一生懸命作ったチョナンの姿・・・。 　新宿駅前のステージ。「みなさん，ご協力ください！この中に韓国人の方はいませんか？いたら手を挙げてください！」。この前より人が集まってきた。４人の韓国の方が名乗り出た。一人ずつ日本に来ている目的などを質問し，最後には「これどうぞ」と紙を手渡す。それに何が書いてあるのか，何の目的でこんな行動をしたのかは，まだわからない。そして「これからボクが大好きな歌を歌います。みなさんご一緒に」とアカペラで「アチムヘル　ボロ　カジャ」を歌い出した。歌い終わると「みなさん，幸せに！サランヘヨ！あんにょーん（バイバイ）！」と去っていった。 　トンバンは，まだチョナンを探し続ける。「フジテレビにいるかも知れない」と言う言葉に，フジテレビを訪れると・・・・。呆然とするトンバン。そこには「スタアの恋」の巨大ポスターが・・・・。 　一人寂しくお茶をするトンバン。その上の方の通路を，踊りながら通るチョナンの姿。またもやすれ違い・・・？

第４回＜１１月２日＞ 　新宿の街頭ステージ。チョナンが突如現れ，叫び出す。「みなさん，ご協力ください！この中で韓国人の方はいませんか？いたら手を挙げてください！」。何度も繰り返すが，手を挙げる人もいないし，話を聞こうとする人も少ない・・・ 　彼女・トンバンの方は，相変わらずチョナンの写真を片手に，いろんな人に声をかけては居場所を探す。でも，誰も居場所を知っている人はいない・・・ 　いつもの店。チョナンはカウンターに座っている女性が気になる。マスターによると，彼女の名前はチョン・ソヒョン。よく店に来るそうだ。日本人の彼がいる。チョナンは「ナンパじゃないんだけど，一緒に飲まない？」と声をかける。チョンさんと話をすることに。彼女は日本に来て２年半。大学院に通っている。彼とは２年前，友達に誘われていった飲み会で知り合った。お互いに第１印象は良くなかったが，何度か会ううちに彼の優しさに「惚れた」。彼とつきあって２年になる。 　チョナン「違う国の人とつきあって困ることはなかったの？」と。「最初は会話するにも困りました。でも私が一生懸命日本語を勉強したので今は大丈夫です」とチョンさん。するとチョナンは「彼は勉強しなかったの？」と不思議がる。チョンさんは，彼が日本語を覚えると自分が日本語を覚えなくなるからと説明する。それを聞いて「彼が甘えているだけ」とチョナン「このまま彼が韓国語を覚えなくても良いの？」。チョンさんは，自分の両親にあったときに話せないと困ると。チョナンは，今彼が韓国語を勉強しないとダメと主張し，チョンさんは自分が日本語を覚える方が先だと主張。チョナンは「ダメだった！彼は君の優しさに甘えているだけだ！僕だったら絶対一緒に勉強している。彼のキミに対する愛が足りないんじゃないの？」と怒り出す。彼女は「とっても愛してくれている」とチョナンの考えを否定。チョナンは「騙されている！」と。もちろんチョンさんはそれを否定する。チョナンは彼が浮気をしているんじゃないかと疑うが，彼女はそれも完全否定。「いつも愛していると言ってくれる」と。チョナンは「僕だって言えるよ，それぐらい」。 　そして「もし彼が浮気をしていたら，キミは許せる？」と質問する。チョンさんは「私を一番に愛してくれているのなら，１度ぐらいは許せる」と。「それはおかしい」と言い出したのはマスター。韓国の女性はみんな一度の過ちでも許さないと言う人達ばかり。「もしかしてキミは彼が日本人だからそう言っているんじゃないの？彼が韓国人だったら許せる？」とマスター。チョンさんは少し考え「許せないかも・・・」。「おかいしじゃないの」というのはチョナン。それでも彼女は「彼は浮気をしません。彼を信じます」と。マスターは「韓国の男性は『好きだ，好きだ』ってあまり言わない。けど，日本人の若い人は平気で言える。彼女はその言葉に恋しているのかも」。チョナンは「今度キミの彼に会わせてくれないか。君への想いが本物かどうか，僕なら会えばわかる。もしかしたら説教しちゃうかも」。彼女は「大丈夫です」。翌日彼と会うことに。 　その翌日。チョナンとチョンさんとその彼の３人で話し合う。チョナンの韓国語を彼に通訳するのはチョンさん。チョナン「今日は君に話したいことがあって来た。キミは彼女のことをホントに愛している？」。彼「もちろんです」。チョナンは「僕はそう思えない。キミのは愛じゃない。甘えているだけだ」と。恋人同士はコミュニケーションを取るために会話をしなければならない。そのために彼女は日本語を一生懸命覚えたけれど「キミはどうして覚えない」。彼は彼女の日本語の勉強のためだという。　チョナンは「関係ないよ。それが甘えているだけだって言うの。彼女に聞こうか。彼が韓国語を話せるようになって，『愛している』って言ってくれたら嬉しくないか？」。「嬉しい」とチョンさん。「ほらっ！キミは彼女のためにも覚えるべきだ，韓国語を！じゃ，今日覚えよう！一番必要な言葉を」とチョナンが教えた言葉は・・・「ナヌン　タンシヌル　サランヘヨ（僕はキミを愛している）」。何度も何度も練習させる。大きな声で。そして最後に「彼女を見て」とこの言葉を。彼の「ナヌン　タンシヌル　サランヘヨ」と言う言葉に，チョンさんは「私も」と嬉しそうだ・・・。チョナンもそんな二人の姿を笑顔で見守る。 　トンバンは，相変わらずチョナンを探している。偶然韓国の人を見つけ，韓国語で聞いてみるが，やっぱり居場所は分からない。いつになったら二人は会えるのか・・・

第３回＜１０月２６＞ 　「マスター。実はボク，恋人を残して日本に来ちゃったんだ。別れの挨拶もせずに。別に愛していなかったわけじゃないよ。今でも愛している・・・だけど，彼女に会って，別れを告げる勇気がなかったんだ。本当に愛していた・・トンバン・・・」 　チョナンスタイルで，安夫妻のお宅へお土産を持って訪れた。お母さんの手料理で向かえてくれた安さん一家。娘さん曰く「お母さんの手料理は世界一」。「おいしい」「海苔巻き大好きなんだ」と手料理を楽しむチョナン。娘さんたちにいろいろ話を聞いた。ミヨンさんは，外国語の専門学校に通い，英語を勉強している。ユサさんは高校２年生。「日本人からの差別って今もあるのかな」と質問するチョナン。ミサさんが「ありません」と答えると，「よかったぁ」とうれしそう。好きな日本人の芸能人を聞くと，２人ともジャニーズが好きだという。ちょっと期待を込めて(?)誰が好きか聞いてみると，ユサさんは「キンキの剛くん」。これにひっくりがえるチョナン。続いてミヨンさんは・・・「ＳＭＡＰの・・慎吾君」。またもやひっくりがえる。「ボク友達だよ」。 　手料理を食べて「韓国のこと思い出しちゃったよ」とチョナン。チョナンは韓国で食べた味が忘れられなくて，キムチを自分で作ってみた。それをお土産として持ってきていたのだった。みんなに食べてもらう。自信満々のチョナンだったが・・・。お父さんは「何か味が足りないな」。「日本のスーパーで売っているのと同じ味」とミヨンさん。お母さんは「ちょっとしょっぱい・・しょっぱすぎる」。チョナンは自分で食べてみて・・変な顔。ユサさん「お母さんのキムチが一番」。チョナンも「そうだよねぇ・・・まずぅ」。お母さんが作ったキムチを頂いてみる。「マシッソヨ・・アジュ　マシッソヨ」とチョナン「何が違うんだろう」。お母さんは「塩の量を加減して，薬味をもう少し研究してみて。そうすればおいしくなるはず」とアドバイスしてくれた。 　娘さんたちに恋愛の話を聞いてみる。２人とも今は彼氏はいない。ミヨンさんの元彼は韓国人。日本人を避けていたわけじゃなく，好きになった人がたまたま韓国人だったと言うだけのこと。だから相手が日本人でもかまわない。「でもお父さんはできれば韓国人の男性と結婚して欲しいって」とチョナンが言うと，「それはわかっています。そうなればいいと思っているけれど，こればっかりは・・。でもお父さんとお母さんを悲しませたくない」とミヨンさん。チョナンは「本当に両親を大事にしているんだね」と言うが，ミヨンさんは「それは当たり前のことだと思う」。「良い家族」とチョナン。２人に両親への感謝の言葉を言ってもらう。ミヨンさん「私を韓国人として育ててくれてありがとうございます」。ユサさん「私は今すごく幸せです。このように育ててくれたお父さん，お母さんに感謝しています」。「最高の家族」とチョナン「みなさん，末永くお幸せに」。 　「安家のみなさん，ありがとう。何かとっても清々しい気持ちになったよ。お母さん，今度こそ絶対『おいしい』って言わせるキムチを作ってみせるからね」 　ホテルから電話をするあの彼女・トンバン。電話をした先は・・・あのマスターのいる店。しかしそこにはチョナンの姿はない。 　その店のカウンターで涙を見せるトンバンの姿が・・・

第２回＜１０月１９日＞ 　東京。「秋だなぁ。天気も良くないなぁ」と街中にいるチョナン。そのころあの背の高い彼女は東京へ向かうバスに乗っていた。 　チョナンはいつもの店で，マスター相手に「スケベな人は髪が伸びるのが早い」なんて言うバカ話をして楽しんでいた。「スケベな人は，男性ホルモンが多いから髪の毛が伸びるんだよね。でもスケベじゃないヤツは男じゃないよね」。 　彼女は，写真を片手に道行く人に話しかけている「コノヒト　シッテイマスカ？」。みんなは「草なぎ・・」とちゃんと答えてくれるが，「ドコニイマスカ」という質問には困ってしまい答えられない。ひたすら話しかける彼女・・・。 　マスターが「今日は在日２世の夫婦が来ているよ」と，チョナンに安さんご夫妻を紹介した。日本生まれの韓国・朝鮮人・・つまり在日２世・３世は現在日本に約４６万人いる。安ご夫妻は，２人とも日本生まれで，朝鮮学校で知り合った。チョナンが「日本人には目もくれず，奥さん一筋ですか？」と質問すると，２人は顔を見合わせる。安さん「私達の両親は，とても厳しい在日１世でしたから，当時日本人の異性とつきあうなんて考えられませんでした」。差別はやはりあったという。何か騒ぎが起こると，どう見ても被害者なのに，在日と言うだけで最初から加害者と決めつけられたり。アルバイトも決まりそうになるとダメになったり。「日本語にも問題ないし，見た目も変わらないのに在日ってことで」。安さんは，先生になりたかったがその夢も小学生の頃自然とあきらめていた。一般企業に勤めることも。「自分の未来を始めから閉ざして考えていた」。この話に考え込むチョナン。その時安さんが「逆に感謝している。差別した日本人に。それは在日ならみんな感じていること」と言った。奥さんも「差別があったからこそ強くなれた。そう断言できる」。 　２人には娘さんが２人いる。チョナンは「もし娘さんが日本人の男性と結婚したいって言ってきたらどうですか？」と質問してみる。安さんは「今は日本人に対して特別な感情というのはありません。だから口では，いいよって言うと思いますよ。でも，内心はやっぱりイヤですね」。奥さんも「私も結婚は許すけれど，抵抗はありますね」。「チョナンには申し訳ないけど，そう言うことなんですよ」と安さん。チョナンは「解ります」と一言。 　「ボクは何も知らなかった。在日の人達が抱えてきた悩みや葛藤。そして差別をパワーにしてきたという力強さを」。安さんは，一度だけ韓国を訪れたことがあるそうだ。そこで感じたことは・・・「本国の韓国人とは違う自分」。日本では日本人と見られず，韓国でも韓国人とは見られない・・「そんな現実だった」。 　最後にサッカーの日韓戦ではどちらを応援するのか聞いてみた。２人とも「もちろん，韓国です」と。チョナンは・・・「日韓両方です」。 　彼女は，まだチョナンを探し続けていた。写真の男が「草なぎ剛」と知っていても，誰も居場所は分からない。とりあえずホテルにチェックインする彼女。その時「トンバン」と言う彼女の名前がわかった。 　確かにチョナンはコンサートで歌い終わると「ヨロブン　カムサハムニダ　サランヘヨ（みなさん，ありがとう。愛しているよ）」と言った後，「トンバンシ　キダルジュセヨ（トンバン，待っててね）」と言っていた！ 　どこかのキッチンで料理をするチョナンの姿が・・・

第１回＜１０月１２日＞ 　マスター「アメリカで悲しい事件が起きたね」。チョナン「ビックリした」。マスターの話では，韓国では兵役を終えても８年以内に戦争が起きれば，軍隊に行かなければならないと言う。「ホントに？心が痛むなぁ」とチョナン。 　東京のとある歩道橋。チョナンが女性に話しかける「チョヌン　チョナン・カンイムニダ」。女性たちは大喜びだが，韓国語しか話さないチョナンに戸惑っている。日本ではさすがに人気があるが「チョナン」と言うことには気づかないようだ・・・。そのころ，成田空港には，あの背の高い謎の女性の姿が。彼女は，何のために日本にやってきたのか？ 　マスターが，チョナンに会わせたい人がいるという。グ・テワン氏。８ヶ月前に来日した。元々インディーズバンドのボーカルで，日本でメジャーデビューするためにやってきた。日本にいる朝鮮・韓国人は約５１万人。ニューカマーと言われる人達は，約１３万人。日本にいる外国人ではダントツ。 　チョナン「ニューカマーの人達にとって，日本というのは何なんですか？」。グ氏「夢を実現するところ。チャンスをつかむための国」。グ氏は，来日する１年半前から日本語を勉強していた。「まだ勉強中」。韓国居酒屋でアルバイトをしながら生活している。「韓国より何でも高い」そうだ。言葉以外で戸惑ったことは「日本人の心の中がわからない」。食文化として，日本の韓国料理は焼き肉屋は日本風になっているが，最近流行の韓国家庭料理はほとんど同じだそうだ。日本の生活は「いいです。自由な雰囲気で」。でも「経済的な面で少し苦労している」。 　チョナン「なぜ日本でミュージシャンを目指すんですか？」。グ氏「ワールドカップ後，韓日の関係はさらに１歩進展するはず。でも近い国なのにすごく距離を感じる。これは変えて行かなくちゃ。変わらなくちゃいけないと思う。だから日本に来て，日本語で歌を歌い，それが多くの人に届くことによって，韓国と日本の架け橋に少しでもなれば」。だからこそ，日本語を１から勉強して，日本語で歌い，あえて日本で勝負する。日本語で歌うのには意味がある。「そうでないと，ボクの気持ちは日本人に伝わらない」。 　チョナンが「半年前，ボクも韓国でスターになってやろうって思いで，韓国に行きました。今のあなたと似ているところがあるかも知れない」と言うと，グ氏は「韓国の人達に何を伝えたいんですか？スターになりたかったのなら，何か伝えたかったんでしょ？」と質問してきた。この質問に答えられないチョナン。「グさんは，日本で何か伝えたいことがあるんですか？」と逆に質問してみる。グ氏は「ボクの歌で，色々な哀しみを伝えたい」。人は生きていたら必ず悲しい思いをするはず。「喜怒哀楽の中で，ボクなりに生きてきた哀しみを歌で表現し，日本人に聞かせることによって，隣の国にこんな気持ちの人がいるんだ，と言うことをわかって欲しい。それに共感したり，感動してくれたりする人が一人でも増えるようにがんばりたい」。チョナンが「どんな哀しみを背負って生きてきたの？」と質問しても「今は言いたくない。日本語で歌ったときにそれを感じて欲しい」とグ氏。 　「ボクは恥ずかしくなった。何を伝えたくて韓国へ行ったのか。そんな質問に答えられなかったボクが。ボクは何を伝えたくて韓国でスターを目指したのか」 　グ氏「ボクはＢ’ｚというグループの歌が大好きです」。「ボクも好きです」とチョナン。グ氏がギターを片手にＢ’ｚの曲を韓国語で歌い出す。それに，時折一緒に歌うチョナン。 　カウンターに突っ伏しているチョナン。「ボクは間違っていたのかなぁ。何が伝えたくて，韓国でスターを目指していたのか，自分でもわからない」。「間違いは誰にでもある。間違いに気づけることが大切なのさ」とマスターは励ます。お酒を飲みながら「酔っちゃった・・・」とチョナン。マスター「今日は早く帰った方がいいね」。 　あの背の高い彼女は，写真を手に街で人に声をかけていた。「この人，知っていますか？」と片言の日本語で。「くさなぎ・・・」という答えが返ってくる。