ＳＭＡＰ×ＳＭＡＰ特別編

　サランヘヨ〜愛の劇場＆愛の唄　　　　

雑踏の中。チョナンが現れて「期待してね」。

スンクム氏と２人。チョナンの新しいイメージソング「チョンマルサランヘヨ」を早速お伝えしようとするスンクム氏。「チャンカンマンニヨ」と慌てて止めるチョナン。「その前に愛の劇場があります」。


第１話　ミアネヨ〜ごめんね〜

　とある女性の部屋が舞台。
＜月曜日＞
　韓国語で会話する男女。男は，金髪でちょっと色黒。無愛想で無口。そんな男も，韓国のたいていの男と同じで，最初のアプローチは熱烈。でもつきあってからは無口・・・これも韓国のたいていの男と同じ。ファッション雑誌を見て，こんなのが着たいと女が言っても，丈の短いスカートは絶対に許さない。そんな韓国男が，この部屋にやってくるのは，月・水・金の３日間。それが２人の間の唯一のルール。それは，他の日に秘密があるから・・・
＜火曜日＞
　日本語で会話をする男女。男は，韓国男と顔はそっくりだが，黒髪・色白。ニコニコ笑顔で軽い感じ。この男は，たいていの日本の男と同じで，まめで気が利く。この男が，この部屋にやってくるのは，火・木・土の３日間。それがこの２人の間の唯一のルール。

　この部屋には，交互に同じ顔の男がやってくる。顔はうり二つだけれど，性格は全く違う，韓国人と日本人。それぞれとの愛が，同じに育まれている。２人とも「私の秘密を知らない・・・」。

＜水曜日＞
　たいていの韓国の男と同じで，普段は無口な男も，お酒が入ると雄弁になる。そんなときに必ず出てくる話は，兵役についている時の話。「オレたちが鍛えられているから・・」。「軍隊から戻ってくると，男って結婚について考えはじめるんだ。自分に自信がつくから・・・一人前の男として」と男。女がお酒を飲みたいというと「外では飲むな」と厳しい。
＜木曜日＞
　こちらの男は，あまりお酒が飲めない様子。逆に女の方がどんどん飲んでいる。そして，たいていの日本の男と同じで，お酒を飲むと，甘えだしたり，いやらしくなったり，軽々しく結婚という言葉を口にしたりする・・・。
＜金曜日＞
　男と女は抱き合うが，それ以上には進まない。「お前のことは真剣に考えている」と男。たいていの韓国の男と同じで，結婚するまで女にはキレイな体でいて欲しいと思っている。
＜土曜日＞
　べたべたといちゃつく２人。好きだから会う度にやりたい・・・女もそう。これは日本では普通のこと・・・。

＜日曜日＞
　この部屋に訪れる男はいない。それがルール。

＜月曜日＞
　男の携帯を気にする女。女じゃないかと疑う。男は仕事の電話だと言い張る。女が責め立てると・・・殴る。「この男の嫌いなところ・・すぐ殴る」。これもたいていの韓国の男と同じ。
＜火曜日＞
　男の唯一嫌いなところ。ちょっと責めてみただけで，すぐすねる。「いつまでも子ども」。これもたいていの日本の男と同じ。
　そして謝るのは・・・韓国人カップルは，女性。日本人カップルは，男性。
　かっこよくお酒の瓶の線を開ける韓国男。ワインの栓が抜けず苦労する日本男。
　こんな生活の中で，愛は順調に育まれていった。順調にはぐ具まれすぎてしまった・・・

　食事の時・・・
　韓国男が，女に指輪を差し出す。「これを受け取って欲しい。何があっても，お前を守っていく。結婚しよう」。女が返事に困っていると「男に恥をかかせないでくれ」。「お願い，待って」と女。
　日本の男も，女に指輪を差し出す。「結婚してください。お願いします」と頭を下げる。女が困って「今すぐには答えられない」と言うと「お願いします・・お願いします」と懇願するように。

＜日曜日＞
　日本の男から電話が。今から来るという。「オットケー（どうしよう）」と女。
　男がやってくる。「ナヤ（オレだよ）」と韓国語で話し始める。見た目は日本の男だが・・・
「韓国語でいいよね。わかるよね。オレはお前にオレ以外の男がいる事を知っている。オレにそっくりな男。男は２人いない。１人だ。両方ともオレだ。堅物の韓国人も，気の利く日本人もオレだ。最初の出会いは偶然だった。そして２人の男を演じわけることを面白がってもいた。そのことはホント申し訳ないと思う・・ごめんね。でもそうやって，２人を演じわけて，お前と過ごすうちに，お前が両方のオレを愛してくれるうちに，いつの間にかどっちのオレも，お前を本気で愛するようになっていったんだ。悩んだよ。だってオレの中に２人の自分が，１人しかいないお前を愛してしまったんだ・・・一方ではお前を抱いているオレがいるのに，一方では韓国の男らしくお前をキレイなままとっとくオレがいる・・やなんだよ，もう，そう言う矛盾は・・・そんな変な話あるかよ。頭が痛い・・モリガアパヨ。オレはどうしたらいいのか，苦しんだ。ずいぶん苦しんだ。迷ったあげく，オレは結論に達したんだ。お前に選んでもらおうと。それでお前に選ばれた方のオレで，この先ずっと生きていこうと決めたんだ。選ばれなかったオレは，捨てる。この世から消し去る。そう決めたんだ。だからオレはお前にプロポーズしたんだ。どっちかのオレを殺す覚悟で。なのにお前は，どっちも選ばなかった。最初はオレが悪かった。でも今でもまだ遅くないんだ。どっちか選んでくれ。お前が本当に愛しているのは，ナヤ？・・オレか？・・・どっちなんだ。ナヤ？・・それともオレ？」
　困惑し泣いている女「じゃ，聞くわ。あなたはどうなの？２人の女にプロポーズしたでしょ？」。
　男は「両方のお前が好きだ。韓国人の女を演じ問えいるお前も・・日本の女を演じているお前もだ」。
　すると女「ずるいよ。もう１度だけ聞くわ。あなたが本当に好きなのは，日本の女の私なの？それとも・・・」。「韓国の女の私なの？」ともう１人の女が，同じ顔をした韓国女が現れた。困惑しているのは，今度は男。日本の女「あなたが１人しかいないなんてこと，ずっと前からわかっていた」。韓国の女「２人ともあなたを好きになってしまったから」。日本の女「２人とも一歩も引く気はなかった。それくらい１人しかいないあなたを愛してしまったから」。韓国の女「だからあんな生活を続けるしかなかったのよ」。日本の女「こうなったら，あなたが選ぶしかないのよ」。韓国の女「どっちかを選ぶと，どっちかを失うことになる」。両方の女「でももう選ぶしかないの」。困惑続ける男・・・。

（注）赤字＝韓国語　青字＝日本語　


第２話　ヘボンカセヨ〜幸せになれよ〜

　日本人との結婚に失敗した男・ジョンジェ。別れた妻・夏子に言わせると，世話の焼ける男らしい。「確かにこんな事なら，日本語を覚えておくべきだった・・・」。
　ジョンジェは，少女と２人バスに乗っていた。隣のおばちゃんが少女に話しかけるが，返事もしない。実は，少女は韓国語を知らない。そして，通訳しようにも，ジョンジェは日本語を知らない。おばちゃんが「親子じゃないの？」と驚くと・・「一応親子です」とジョンジェ。少女・幸は，夏子と日本に住んでいて，父親のジョンジェとはほとんど初対面。夏子が，エステ旅行に当選し，今日１日ジョンジェが幸の面倒を見ることになった。

　海辺で海を見つめる父子。ジョンジェが「どっか行きたいところある？」と聞いても，返事がない。「わからないよなぁ」とジョンジェ。街中。ジョンジェが「何かかって欲しい物ある？」と聞いても，返事がない。溜息をつくジョンジェ。屋台でポンテギを買う。屋台にある「蚕（さなぎ）」という文字をじっと見つめる幸。ジョンジェは「子どもの時からおやつ代わりに食べる。韓国人の大好物なんだ」と説明するが・・・。幸は全く食べない。理由がわからないジョンジェは「腹減ってないのか・・・」。
　動物園。「なんで動物は，言葉がわからないのに，親しくなれるんだろう」とジョンジェ。写真屋に，記念写真を撮るように岩荒れる「かわいい娘さんと，一生に一度の思い出に」。写真を撮ることにするが，ぎこちない２人。「肩車でもしたら」と言う写真屋に「肩車なんてするの？」と驚くジョンジェ。肩車もしたことがない父親にあきれる写真屋。「せめて手をつないで・・」と２人の手をつながせる。ぎこちなくＶサインをしながらの写真・・・
　幸が「おトイレに行きたい」と言い出すが，日本語が全く分からないジョンジェには伝わらない。「なに？写真？・・お腹空いたの？・・何？」と困惑。何度「おトイレ」と言ってもわかってもらえず，幸は突然走り出す。何もわからないジョンジェは，びっくりして後を追いかける。幸が飛び込んだ所を見て「ファジャンシル・・」と納得するジョンジェ。

　喫茶店。友だちカップルと一緒に。彼女の方は，日本語が分かる。彼女が，韓国語を話せる妻と別れたことを不思議がると，彼の方が「キムチ食べれなかったんだって」と。ジョンジェは「生活習慣の違いだよ」と言うが・・・。彼女が，日本語で「キムチ好き？」と幸に聞くが，キムチ自体を知らない。彼女は，簡単な韓国語を幸に教える。ジョンジェにも日本語を教えようとするが「いまさら・・」とジョンジェは覚えようとしない。それでも彼女は，幸に「愛しているは，サランヘヨ」と教え，ジョンジェには「サランヘヨは，愛している」と教える。幸の名札を見て，「幸」という名前を誰が付けたのかと言う話に。実は，ジョンジェが「幸せになってもらいたいから」と，夏子に漢字を教えてもらい付けた名前だった。それを日本語で説明する彼女。ジョンジェをじっと見つめる幸。そして「幸せって何？」と幸。彼女に通訳してもらい，ジョンジェは「そうだなぁ・・・大好きな人とずっと一緒にいること」と教える。２人とも，お腹が鳴る・・・

　焼き肉屋。お互い自分の言葉で話しかける。でも，今までのように一方通行という感じではない。意味は分からなくても，なんとなく雰囲気が伝わっている感じだ。ジョンジェがおいしそうに食べるキムチに，興味を持つ幸。幸がキムチを食べようとすると，水をもらい，その中で洗って辛い部分を落としてあげるジョンジェ。幸が「おいしい」と言うと，「もっと食べる？」とうれしそうなジョンジェ。「言葉がわからなくても，通じ合える事ってあるんだなぁ」とジョンジェ。

　夜。ジョンジェは「来てくれてありがとう・・連れてこられただけか」と幸に。そこへ夏子がやってきた。夏子は幸に「ちゃんとお話できた？」と聞くが，「あんまり・・」と幸。ジョンジェに挨拶だけして，そのまま帰ろうとするが，幸が走って戻ってきた。「ホントはね。私がパパに会いたいってお願いしたの。ママだって，パパのこと嫌いで別れたんじゃないって言っていたから。どんなパパなのか，ずっと会ってみたかったの」と幸。夏子がジョンジェに簡単に通訳する。「日本語ぐらい覚えておきなさいって言ったでしょ。ホント，世話の焼ける人なんだから」と夏子。実は，夏子は今度再婚することになっていた。相手は日本人。幸のことも愛してくれている。そして幸も賛成してくれている。「再婚したら，２度とあえないと思ったみたい。だから，その前に一度会いたいといいだしたんだと思う」と夏子。２人が去った後，１人ベンチで写真を見ているジョンジェ。幸の「幸せって何？」と言う言葉が頭から離れない・・・

　空港。夏子と幸の元へ，ジョンジェがやってくる。ジョンジェは「幸。よく聞いて。たった１日だけど，会えて良かった。パパも，幸に会いたかったよ」と。夏子が通訳する。「昨日，パパは，幸せは大好きな人と一緒にいることだっていったけど，離れてたって幸せにはなれる。これからも幸が幸せに慣れるように祈っているから。パパは遠くから祈っている。いいね」。すると幸は「パパ，昨日の写真ちょうだい」と。その日本語は通じたジョンジェ「サジン？」とポケットから出して手渡す。
　去っていく幸に，「愛してるよ！」と日本語で叫ぶジョンジェ。「あいしてるよ，幸！」。すると幸も「サランヘヨ・・サランヘヨ，パパ」。

　「それから二度と娘に会うことはなかった。でも，パパはずっと幸の幸せを祈っているよ。幸・・ヘボンカセヨ」


「すごくおもしろかった」とスンクム氏が，延々と感想を述べはじめようとすると，「時間がないんで，先に進めていいですか？」とチョナン「愛の劇場の後は，愛の唄」と。
　スンクム氏が曲と詞を作り，その詞をチョナンが韓国語に訳した，新しいチョナンのテーマソング。スンクム氏は，チョナンが韓国について話していたときの「顔，表情，仕草，すべてがね，新鮮に映った。ＳＭＡＰの草なぎ剛じゃない。ホント１少年が好きなモニタいして情熱に答えている。その表情を曲にしました。韓国を愛しているなぁっていうのが伝わってきた。すごく感動した」。

　そして完成した曲は・・「チョンマル　サランヘヨ〜ホントに愛しています（仮）」。作詞・作曲・プロデュース：スンクム（つんく）　ハングル訳：チョナンカン