| 香港。そこは香港のはずなのに，あのフードファイト会場とそっくりな場所が。そこでは，フードファイトが開催されており，以前，チャンプ・井原満に負けたカルロスが，香港チャンプと戦い，破れた。香港チャンプは，広東語で「オレの胃袋は宇宙だ。この地上にオレの敵はいない」と言い切る。しかし，「お前より強いヤツが日本にいる」とカルロス。 宮園総合食品。宮園会長亡き後，冴香が会長になっていた。その冴香の元に，会社の株が買い占められているという情報が入る。このままでは，乗っ取られてしまう可能性も。状況がわからず困惑する冴香の元に，香港から電話が。その電話の後，会社地下にある，フードファイト会場に入る冴香。すっかりほこりをかぶってしまっている。そこへ，如月がやってくる。医師免許取得への道はまだまだ遠そうだ。「待てないわ」と冴香。香港のマフィアが，会社の乗っ取りをたくらんでいた。そのマフィアとは，香港の食品会社社長・王。王も，闇の世界であのギャンブルを開催していた。しかし，日本の方が強いという噂が立ち，ギャンブルが成り立たなくなる可能性が出てきた。そこで冴香に，日本ｖｓ香港のフィードファイトを挑んできた。こちらから香港に乗り込むつもりだが「この男が必要なの」と冴香が見つめるモニターには，チャンプ満の姿が・・・。 冴香に満探しを頼まれた如月は，公園に九太郎を呼び出す。九太郎に満探しを依頼するが，「めんどくさい」と九太郎はいやがる。モーニング娘。に会わせると言っても効き目がない。しかし，偶然如月が持っていた「ハイパーGO！GO！２」のカードを見て・・・満が見かけられた秋田へ元気に旅立つ九太郎の姿が（笑） 冴香の父・菅原は，相変わらず占いをやっていた。そこへ，如月がやってくる。「娘さんに絶体絶命の危機が迫っている」と説明する。 アイスドール・雪子は，商店街の福引きにチャレンジする。すると，香港食べ放題ツアーが当たる。大喜びの雪子。しかし，それは如月が仕組んだ福引き。雪子にだけしか賞品がない。これで，２人そろった。あとは，満だけ・・・。 九太郎は，秋田まで飛んでいくことができた。しかし，休憩している間に，つかまってしまう。神社では，縁日が行われていた。そこのお好み焼き屋に，満の姿が。しかし，以前の満ではなく，ちょっとドジ。満は，お好み焼き屋の少年・健太に助けられ，その手伝いをしていた。健太に，手伝いはいいから縁日を見てくるように言われる。余計な仕事を作らないように，と満は健太の言うとおりにした。そこに，見せ物小屋があった。「しゃべるカラス」がいるという。満もその見せ物小屋へ。そこにいた「しゃべるカラス」は九太郎のことだった。ずっと黙ったままの九太郎。しかし，満の姿を見つけると，一生懸命話しかける。他のお客さんは，喜んでお捻りが飛んでくるが，満は「ホント良くしゃべるカラスだなぁ」・・・九太郎のことが全くわからない。 健太の家。健太の母親は，病気で寝ている。その部屋には，他の人は誰も入れない。病気になる前はお母さんに助けてもらったから，今度は自分の番だという健太。「お母さんには助けてもらったはずだよ」という健太だが，満は答えない。「何も覚えていないんだね」と。満は，記憶喪失になっていた。「記憶がない方がずっと楽なんですから。目の前の現実に立ち向かっている健太さんよりも」。健太は，満のことを「松君」と呼んでいた。あの松屋の前で倒れていたとき，健太に助けてもらったのだった。 九太郎は，見せ物小屋のオヤジの元から，逃げ出すことに成功した。そして満の元へ飛んでいき，いつものように頭に止まる。しかし，満は「見せ物小屋に売ったら高く売れるかなぁ」と全く覚えていない。 フードファイト会場。そこに満の姿もあった。満が記憶喪失になったことについて，フードファイトと言う緊張から解放され，もう二度とその緊張の戦いにもどりたくない，という気持ちがそうさせたのではないか，と如月。満は「ボクにはフードファイトなんてできません」と。そんな満にビンタをする冴香。それぐらいのショックで，もどる記憶ではなかった。でも冴香は「こんな美人を忘れるなんて」と，いつもの満との会話をしてみるが，満は相変わらず「松くん」のまま。そこで冴香は「健太君お母さんを助けてあげる」と。世界一の名医を呼んで，病気を治してくれると言う。もちろん費用は全部冴香が負担。しかし「そんなの信用できません」と満。冴香が「助けるには，あなたがフードファイトするしかない」と言っても，「ボクにはできません」とその場を去っていく満。あきらめるように言われても，冴香は「代わりはいない。彼はまだ失っていない・・宇宙の胃袋を」と期待を抱く。 満は，九太郎に「ホントのことを教えてください。ボクは本当に無敵のチャンプだったんですか？」と尋ねる。そして「ボクにできるんでしょうか。フードファイトなんて。お母さんと健太さんを助ける事なんて・・・でも，ぼくがやらなきゃ」とお母さんの部屋をのぞく。その姿を見て「お母さん・・」。 成田空港。裕太もやってきて，満が来るのを待っていた。いくら待っても満はやってこない。みんなはあきらめるように冴香を説得する。時間が迫り，冴香もあきらめかけると・・・満がやってきた。みんなが喜んで握手を求めると，雪子にだけ「初めまして。松といいます」と挨拶。「女好きは変わらないな」と裕太。まだ，満は記憶喪失のままだった。 香港。満は裕太と一緒に香港の街を歩いている。そこへ，女性が「どいてどいて」と走ってくる。裕太はうまくよけられたが，満はぶつかって倒れてしまう。「麻奈美姉ちゃん？」と裕太。いるはずがない麻奈美にそっくりな女性。記憶がない満は「お知り合いですか？」。麻奈美にそっくりな女性はそのまま走り去るが，ペンダントを落としていった。裕太は麻奈美を追って行くが，見失う。偶然，如月に出会い，麻奈美がいたと報告。信じない如月。そして裕太は，雪子の買い物に一緒につきあわされる羽目に。雪子は，ここぞとばかりブランド品を買いあさっていた。 冴香は王会長と会っていた。こちらのフードファイトのルールを確認。１ラウンド１０分の３ラウンド制。１ラウンド１一人ずつ，３人で戦う。一皿１ポイントで，合計ポイントで争う。日本チームが勝てば，宮園総合食品の株を返してもらう。香港が勝てば・・・「欲しいのはあなた」と王。一晩だけ，王とつきあうことを条件に出してきた。これを拒めば「全員の命をもらう。それが私達のやり方」。 そんなことを知らないみんなは，楽しく食事をしている。菅原は，久しぶりのお酒・紹興酒をがぶがぶ飲んでいる。雪子は買い物の計画。そこへ冴香もやってくるが「何しに来たと思っているの」とあきれかえる。それでもみんなはチャンプがいることで安心しきっている。しかし満は「困ります。期待されても」と困惑顔。そして，まだあまり食事をしていないのに「もうお腹一杯で」と帰っていく。「記憶とともに宇宙に袋もなくしてしまったのか？」と不安になる如月。 満が一人歩いていると，また昼間の女性が走ってきて，またぶつかってしまう。満は，昼間拾ったネックレスを返す。するとその女性は「運命の人？」と。突然，襲われる２人。本物の銃に，逃げ回る満。そこへ，大男・梁が止めに入った。この梁から，女性・美玲は逃げていたのだった。実はこの梁は，美玲の婚約者。美玲は，大学で日本語を勉強しており，日本語が達者。話を聞くと，父親が無理矢理決めた婚約者だという。梁は，マフィアの幹部。満が拾ったのは「運命のネックレス」と呼ばれていて，これを持っていると運命の人に出会えるという言い伝えがある。美玲に「運命の人？」と言われ，照れる満。満は「もっと以前に会っていたような気がする」と。 冴香が荷物をまとめ，日本に帰ると言い出す。みんなはとめるが「１００％勝てる保証がないとできない勝負なの」と冴香。事情がわからないみんな不思議がる。そこへ王がやってきて「命がかかっているからな」と。そして「逃がさない」とつかまってしまう。全員が牢屋に閉じこめられる。負けた場合の条件を知らされたみんな。最初のうちは「一晩ぐらい」と。菅原は複雑な気持ちだったが。冴香も，以前だったら一晩ぐらい我慢できた，と。宮園ともそうやって結ばれたのだから。でも，今はできない。「愛してしまったのですね，前会長を」と雪子。冴香が，一晩の悪夢と思って我慢すると言い出す。すると，今まで黙っていた満が「そんなことしない方がいいよ。いい夢は一晩だけだけど，悪い夢は何度も繰り返す。たった一晩が一生続いてしまう。そして，僕らにもつきまとうんですよ，その悪い夢が」と。その言葉に，みんなはフードファイトに全力で取り組むことを決意。一致団結した。 翌日の朝。冴香が目覚めると，みんなが穴掘りをしていた。「逃げれることにこしたことがない」と。昨夜の団結を見た冴香はあきれている。すると急に天井が開く。美玲が顔を出し，ロープを垂らして逃がしてくれると言う。美玲に導かれながら逃げる。美玲が「そこのドア」と示したドアを，嬉しそうに開けて入っていく・・・しかし，そこがフードファイトの会場だった。そこには，カルロスもつかまっていた。「あなた方が勝てば，私の命も助かる」とカルロスの命もこのフードファイトにかかっていた。冴香は連れ去られ，王の監視の元に置かれる。裏切られた満は，美玲に「どうして？」と。美玲は「ごめんなさい。戦って勝って欲しかったの」。 菅原が「ようは勝ちゃいいんだろう」と１Ｒに向かう。対戦者は，周鈴。体は細い女性。「同情するなら金をくれ」と広東語で。対戦メニューは「五目ビーフン」。菅原は，紹興酒を飲みながら対戦に挑む。相手が女性なら楽勝，と余裕だ。しかしカルロスが「ただの小娘じゃない」と忠告をする。そう，いきなり周鈴は「虎」を呼ぶ。「虎」とは愛犬の名前。その犬が，ビーフンを食べ始める。犬が食べた分も，どんどんカウントされていく。冴香がおかしいと抗議しても，王は「彼女は孤児。唯一の家族があの犬だ。それなのに引き離せるのか？ここは香港。ルールは我々が決める」と。さらに，冴香は，菅原が飲めば飲むほど食べられるのに，それほど飲まないことに疑問を持つ。王は「肝臓を壊していて，お酒が飲めない」という情報を握っていた。それでも，今回菅原がやってきたのは「娘に頼られて嬉しかったんだ」と王。ただでさえ不利な条件だった。１Ｒの結果は，１８：１４。香港チームの勝利。王は「負ける毎に１枚脱げ」と冴香に。仕方なく上着を脱ぐ冴香。菅原は「すまん。差を付けられて」と。 雪子が「私が挽回するわ」と２Ｒに向かう。２Ｒは杏仁豆腐。雪子は「器を変えてください。陶器だと割れる」と，雪子が触った器が簡単に割れてしまう。そして会場全体に冷気が。「マジでやる気だ」と如月。雪子が食べ始めても，相手のサングラスの男・陳華龍は食べ始めない。そして陳は「君は平気なんだね。冷たい杏仁豆腐が」と。雪子は「一旦命を失ったの。冷たい雪に抱かれながら」と自分の恋愛体験を話し出す。今度は陳が「ボクの器も変えてください」と器に触り，同じように簡単に割ってしまう。「ボクも愛を失いました。心が凍り付いた。君と同じように」と話を始める陳。陳は人妻と恋に落ち，その人妻が夫の暴力に耐えかねて，夫を殺してしまう。自分の元に来てくれるためだと，人妻の若い弁護士と相談し，人妻の罪をかぶった陳。刑期を終え，もどってみると人妻はその若い弁護士とできていた。最初からこの弁護士と一緒になるために仕組まれていたことだった。そして陳は，ナイフを人妻に向けたが・・・結局はこれ以上汚いものを見たくないからと，自分目をつぶしてしまった・・・。雪子は，涙を流しながら話に聞き入っている。カルロスが「作り話だ！」と忠告しても聞こうとしない。陳はマイペースで食べ続けるが，もう雪子は一口も食べられない。 そのころ，健太の元へ，闇医者・黒崎がやってきた。冴香に頼まれ，お母さんを助けるために。黒崎は片腕だが「他のどんな医者よりも優れている。それに君がボクの左手になってくれ」と。しかし，お母さんの姿を見た黒崎は・・・「なんだこれは？？」。 フードファイト会場。２Ｒが終わる。３０：１９。結局，雪子は食べられなかった。王は，冴香に「また１枚」と笑いかける。陳は「３０対１９かぁ」と得点を見て言う。そう，陳は目が見えないわけではなかった。カルロスの言うとおり，全部作り話だった。器が割れたのも，細工がしてあったのだ。陳は「君が愛すドールとわかったときから」と全て策略だったことをばらす。 泣きながらもどってくる雪子。すると満に黒崎から電話が入る。「どうやって手術しろというんだ」と困惑顔の黒崎。満は「あなたにはどう見えるかわかりませんが，彼にとっては唯一の母親なんです」と。 ３Ｒは，小籠包。満は，いつものスーツ姿に着替える。みんなの期待を背にうけ，会場へ。相手は・・・あの梁だった。「だから戦って欲しいと」と満。美玲は「あなたが最後の希望なの」。でも満は「ボクは・・君のために戦う訳じゃない」と。満が戦いに挑み始めると，健太の家では手術が始まった。梁は「待っててやる。さっさと食え」と食べ始めない。その差は１１皿。必死で食べ続ける満。しかし，いつもより早く限界が来てしまう。いつものようには進んでいかない。満が３１ポイントにすると，「遊びは終わりだ」と叫び出す梁。さらに自分で首の後ろを押して，猛然と食べ始める。カルロスは「自らのひこうをつく，香港チャンプの秘技だ！」。どんどん差が開いていく・・・。 健太の家では，九太郎が「人形相手に何やっているんだ？」と手術の様子を見ている。そう，健太が母親だと言っていたのは，マネキン人形。満は，健太の事を語りながら戦いに挑む。本当の母親は健太を捨てて出ていったんでしょう。あの薄暗い部屋で，一人目覚めたはずです。いつもとは違う，母親のいない部屋で。彼は，母親が帰ってくるのをずっと待っていたんでしょう。一人っきりで。どうしようもない孤独が包んだ。捨てられたことが信じられなかった。だから，彼はマネキンを自分の母親だと・・・。ただようやく彼は，夢から覚めたいと思い始めたのかもしれない。その証拠に，ボクにマネキン人形をを見せようとしなかった。ずっとそばにいてくれたマネキン人形を母親だと思いこみたい気持ちと，夢から覚めて現実を行きたいという気持ち，その二つの気持ちがきっと彼の中で戦っているんです・・・・泣きながら食べ続ける満「そうですよね。健太さん。あなたも戦っているんですよね。ボクもそうです。こんなところで，こんなことを。これが夢なのか現実なのかわかりません。あなたも戦っているんですから，ボクも戦います。この戦いの向こうに，きっと答えがあるはずですから」。しかし，まだ宇宙の胃袋はもどってきていない。 「ごめんなさい。もう食べられない・・」とうずくまる満。すると，美玲が「食べて！」と叫ぶ。その声を聞いた満の脳裏に，麻奈美との思い出がよみがえる。そう，あのラストフードファイトの時の叫び声とダブったのだった。「麻奈美さん？」と満。「ここどこだ？」と周りを見渡し，皿をいじってみたり，自分が置かれている状況確認。この満の変化に気づかない梁は，勝利を確信し「これ以上戦っても意味がない。オレの胃袋は・・」と言い出す。しかし，満は「待てよ。腹減ったなぁ〜。これ食っていいんだよな」と食べ始める。「うまい」といつもの満にもどって，楽しそうに食べ続ける。ものすごいスピード。完全にチャンプ満が帰ってきた！その姿を見て，慌てて食べ始める梁。踊るように，時々くるっと回りながら，本当に楽しそうに食べ続ける満。「時間がないぞ！」「大丈夫だ」とみんなも嬉しそうに応援している。美玲だけはちょっと複雑な表情・・・。そして結果は・・・６０：６１。満の，日本の勝利。 冴香が会長室から出ていく。怒った王は，梁を殺すように命令する。これが香港のやり方。しかし，それをとめたのは・・美玲「この人を殺すなら，私も殺して」。美玲は，王の娘だった。梁は父親が決めた相手だったはずだが・・・。美玲は「運命の人と出会えるように」と満にペンダントを渡す。「私はもう運命の人に巡り会えたから」と美玲。梁は，自分を嫌っていたはずの美玲の行動を不思議がるが，満は「女心のわからないヤツだな。イヤよイヤよも好きのうちってな」と。そして・・・「オレの胃袋は宇宙だ。宇宙は２ついらない」と去っていく・・・。 一方，健太の家では，手術が終わったが，母親は死んだ。もちろん，マネキン人形だが，黒崎は最後まで健太につきあう。「手遅れだった・・」という黒崎に，「いいんだ。死んだのはお母さんじゃなくて弱虫なボクの心だった」と健太。母親だと言っていたのがマネキンだったと認めることができた。「とっても優しいマネキン人形だった」 香港の夜，満が一人たたずんでいると，冴香が「手術失敗したそうよ」とやってくる。「電話で手術失敗するように頼んだそうね」と冴香。黒崎医師は，心電図の細工やら大変だったらしい。冴香は「これで健太君も現実にいきる勇気が湧いてきた。感謝しているわよ」。それを聞いた満は「お前もだろう」。冴香は「別に」と強がる。「一晩ぐらいなら王とつきあっても良かったのよ。みんなの命を助けるために，こんな素敵な私が犠牲になるなんて女冥利に尽きる」。そんな冴香の肩を抱き「強がり言うな。ホントは泣いていたんだろう」と満。冴香が「涙は女の武器よ。あなたもそれを見たら，きっといちころよ」と言うと，「そいつを見る前に退散するよ」と去っていく満。 満が，九太郎と一緒に「若者たち」を歌いながら川辺を歩いている。 つくし園に，健太が新しい仲間としてやってきた。みんなに紹介された健太。すると「松君」。みんなが不思議がって外に出てみると・・・九太郎を肩に乗せた満の姿が。じっと見つめる麻奈美。そして「お帰りなさい」。「ただいま。ボクの運命の人」と満。子どもたちが「満お兄ちゃん！」と駆け寄ってくる。「きざなセリフだな」と九太郎。「うるせぇ」と満。みんなに囲まれる満。麻奈美と満を子どもたちが囲んでいる記念写真。その上には，あのペンダントが・・・。 |