| 風俗店。客の少年が店の少女（カレン）を人質に閉じこもる。捜査一課の丹波が駆けつけると，少年は「ニュースでやっている？ボクの顔映っている？インタビューで友達はなんて言っている？」と。丹波は風見を思いだし，少年の説得を始めるが，少年は聞く耳を持たない。「ボクはここにいる。ボクはここにいる」そう言いながら，カレンにナイフを突き刺そうとし・・・丹波が止めに入り負傷。それでも怒りを止められない丹波は，少年に暴力をふるってしまう。少年が逮捕され，カレンは解放されるが，その店の店長が父親であることが判明・・・。 丹波の処分を決める会議が行われている。丹波にはそんなことは関係がない。途中携帯がなり，「事件だ」と出ていってしまう。その事件の現場は中学校の屋上。男子生徒と女子生徒が何者かにバットで殴られ，女子生徒（今野）は頭部を殴られ重態，男子生徒（佐上翔一）は左腕と鎖骨をやられている。２人の担任・清水が第一発見者だった。病院に行き，翔一から話を聞こうとするが「リュウタロウにやられた」というだけ。「リュウタロウ」については，清水も名前だけは知っていた。翔一たちと同年代で，学校の近くに住んでいるらしい。 丹波が捜査一課に戻ると，処分が決まっていた。「中学生の事件がやりたいなら，あそこへいけ！」と課長。そう，少年事件課へ異動の命令が出た。「あそこはヤダ！」と丹波。一方，文部科学省の幼児教育研究課では，風見が幼児用のパソコンを楽しんでいる。すると課長がやってきて辞令を渡される。それは，警視庁少年事件課への臨時研修の命令だった。「行きたくありません」と断る風見。 丹波が，渋々少年事件課へやってくると，「警視庁のターミネーターが帰ってきました」と向かえる妹の綴。そして，課長は・・・季織が。坂上課長が育休中なので，その間課長を務めている。そして季織は「風見君も呼びました。坂上課長から言われています。丹波さんが戻ってきたときには呼ぶようにと」。文句を言っていた丹波だが，綴と季織の姿を見て，にやりとする・・・ 風見は幼児教育研究課の課長に行きたくない理由を必死で伝える。「前の彼女と今の彼女がいるんです！勘弁してください。微妙でしょ？」と。でもそんな理由は聞いてもらえず・・・風見は，意を決して，少年事件課に入ってくる。そこで，季織から丹波と一緒に捜査することを告げられる。丹波は妙に楽しそう。「どういう顔をすればいいんだ・・」と風見。 いよいよ２人での捜査が始まる。相変わらずのツル・エラコンビ。まずは中学校へ行き，生徒たちから「リュウタロウ」のことを聞き出す。この名前を聞くと「やっぱり」という答えが返ってくるが，誰もそれ以上話そうとしない。「リュウタロウ」をおそれているようだ。 そのころ綴にカウンセラーの依頼がくる。翔一のカウンセリングを頼まれたのだった。季織に相談し，許可をもらう。綴は季織に風見のことを気にしているかどうか尋ねるが，季織りは全く気にしていないと言う。 翔一の病室。丹波と風見が事情を聞きに行くと，カウンセラーとして綴がいた。カウンセラーとして同席するという綴とそれを認めたくない丹波。兄妹喧嘩が始まる。「ボクが聞きますから」と風見が割ってはいる。翔一の話によると，リュウタロウに呼び出され屋上に行くと，そこには今野がいた。２人ともお金をせびられていた。お金がないと逃げようとすると後ろから殴られた。２人とも前に街でリュウタロウに出会い怖くてお金を渡してしまったことがあるという。「あいつ，むちゃくちゃなんです。やばいんです」と翔一。名字も住んでいるところもわからないが「清水先生に聞いてください」。学校の職員室。他の教員は研修会があり外出していた。清水もリュウタロウについては他の先生から聞いただけ。私立の学校に通っており，不登校で引きこもりだったが去年から外に出るようになったという。「リュウタロウ」というのは本名らしい。そこまで聞くと出ていってしまう丹波。「甘ったれの不良だ」。捜査本部に戻ろうとすると，あのカレンを見かける。父親も偶然通りかかり，２人で「かっちょわりぃぃ」とふざけている。カレンはあんな仕事をしてながら「お父さんところだったら心配ないし」。父親が「ちゃんと貯金してあげていますよ」と言うと，カレンは「いい親じゃん」とのんきなもの。 風見は，季織に報告書を提出していた。少年事件課には２人きり。「元気だった？オレは平の捜査員なのに，季織ちゃんは課長でくるんだもんな」と風見。季織は「今の大臣，女性だから」。季織がこの課にやってきたのは，風見の影響だった。風見が夢中になっていたこの世界をもっと知りたくなって。ふと風見がドアの方を見ると・・・半分顔を出した綴の姿が。綴は，しばらく翔一のカウンセリングを続けることになったことを報告に来たのだった。そして，季織と食事に行く相談をしている。「風見君も行こう」。結局，アバンティに連れて行かれる風見。前の彼女と今の彼女と食事をする羽目になってしまった。女性２人は全く気にせず，普通に話をしている。綴がカウンセラーになるための勉強をしたのは，去年事件のことを冷静に考えられるようになって，自分にできることはないか，と思ったのがきっかけ。そんな話をしている間も，平静でいられない風見はひたすらワインを飲み続け・・・トイレに直行。「自然にしていたのにね」「こだわっている？」「男はねぇ」と２人。 一方，丹波が家に帰ると，坂上課長が仕事に戻りたいと言い出す。しかし丹波は，子どもが大きくなるまでは母親が側にいないと不良になると大反対。坂上課長が，母親べったりで過保護になる方が悪いと言っても耳を貸さない。 本庁からリストが送られてきた。「リュウタロウ」という名前で該当する子どもは４人。これで見つかるかと思ったら，全員にアリバイがあり，該当者がいない。綴が翔一のカウンセリングに病室を訪れる。質問に無理に答えなくて良いという綴に「怒らないの？」と不思議がる翔一。綴は「怒らない。命令しない。採点しない。そのままでいい」と。「そのまんまでいいなんて，言われたことがなかった」と翔一。綴には１つ疑問があった。父親が全く顔を出さない。それを母親に尋ねると，実は今外務省の贈収賄事件でスキャンダルになっているのが翔一の父親だった。 捜査本部。いらだつ丹波。風見は一人何か考え込んでいる。「もしかして，あの学校の生徒なんじゃ？」と言い出す風見。裏番長・・影の権力者があの学校に入るんじゃないか，と考えた。早速学校へ行き聞いて回るが，生徒も先生も誰も知らない，いない，と言う。先生方は「問題を起こすような生徒はいない」と断言。すると風見は「いじめはありますか？」と質問する。セイン性型は「いじめのない学校はない」「彼らのコミュニケーションなんですよ」「やらせておけば，ストレスがたまらなくて良いんです」と言う・・・。 職員室を出ると，清水が２人を追ってきた。実は清水は風見の中学２年の時の同級生。それを聞いた風見は，なぜか急に足が震えだした。自分でも原因が分からない。移動の車の中，丹波の携帯がなった。坂上からで，息子のじゅんが熱を出したが，検査が必要かもしれないと言う。不安がる坂上だが，丹波は捜査のことしか考えていない。 リュウタロウに被害にあったという生徒２人から，彼の特長を聞き似顔絵を描くが，全く違う人物になってしまった。２人は怖くてちゃんと顔を見られなかったと言い訳する。そこへ，綴から連絡を受けた季織から翔一の父親のことを知らされる。「やっぱりいじめかも」と風見。すぐに病院に行き，翔一にいじめがあったんじゃないか，と質問をする。なぜかあせる風見「なんでもいい，思い出すんだ！」。綴がそんな風見を止めた。 夜。階段に座って以下バーガーを囓る風見と綴。風見はオイシイと食べ続けるが，綴はおいしくないと後悔している。「風見君の味覚はあいまいだからね」。綴は兄から風見が中学生の頃いじめに遭っていたことを聞いていた。風見がいじめにあっていたのは，中学２年の時。理由もなく急にクラス全員からいじめられるようになった。かなりひどいいじめだった。「誰も助けてくれなかった。親にも相談できなかった。もういいやって思った。学校で死ねばみんなも傷つくと思った。ざまーみろって」。風見が学校の屋上から飛び降りようとしたとき，先生とクラス全員がやってきた。先生が「風見がどうして死にたくなったか考えろ。風見の気持ちを考えろ」と言って，それ以来いじめがなくなった。みんなが風見の気持ちをわかってくれた。だから風見は，子どもたちのことを信じているのだった。 丹波が家に帰ると，まだ坂上とじゅんは帰ってきていなかった。慌てて病院に行くと，坂上が一人座っていた。熱が下がらず，髄膜炎の疑いがあると。そのころ風見は，綴に同級生の清水にあったとき足が震えたことを伝える。綴は，いじめにあったことが忘れられず，その清水にひどくいじめられたんじゃないか，と判断した。朝になり，じゅんの熱も下がり，家に帰れるようになった。坂上は「なんですぐ来てくれなかったの？じゅんは私一人の子どもじゃない」と。 丹波は，またあのカレントであった。カレンは「これからお父さんとどうつきあうか考えなさいって言われた」と。自分なりに考え「親がいなくても子どもは生きていける」と言っていたが，そんなカレンに「小さいころ，病気になったことあるか？そんなとき親は必要だろうが！」と怒る丹波。 風見は季織と書類を見ていた。「何で見つからないんだ。なんで姿が出てこないんだ」と考え込む風見。すると季織が「まきおって覚えている？」と話を始める。まだ文部省だった頃，トイレに出ると言うオバケが「まきお」。誰も見ていないのに噂が広がっていって，いつの間にか本当の話のようになっていった。「みんな知っているのに，存在しない」。「都市伝説？」と風見。もしかしたらリュウタロウもそうなんじゃないかと。そして，風見は学校で聞き回る。ちゃんと聞き出すと，誰もリュウタロウを見たことがなかった。生徒も先生も。実際にあったという２人も，追及していくと，お金を取られたという女子は，お金がなくなってリュウタロウに取られたと言ったら親がお金をくれたから，友達にもそう言った。殴られたという少年は，街で変なのにからまれたけどそれじゃかっこわるいからリュウタロウにやられたことにした・・・。 風見は病室へ向かう。翔一は父親のことでいじめられ，リュウタロウにやられたのもそれが原因だったと言っている。すると風見は「ホントはいないんだろう？いないのになんで会った。何を隠しているんだ！」と強い口調で問いただす。綴が慌てて止める。病室を出た２人。「犯人を見つけたいんだ」という風見。「被害者の立場に立つのが私」という綴。綴は「子どもたちの気持ち，忘れている」と。言い争う２人。「これからこういうことあるのかな。喧嘩したくないよ」と言う風見。考えた綴は「もう，しばらくこうして会うのよしましょう」と。一人残された風見に，殺人事件の連絡が入る。７０代の老人が襲われ即死。凶器は・・・バット。 丹波と風見が学校へ向かうと，ヘリコプターが校庭に着陸。捜査一課の面々が降りてきた。捜査本部がそっちにできたと。「ガキどもをやっつけないとな」と一課長。相変わらず，力で事情聴取をする捜査一課。風見「なにやってんだ」。丹波は「オレは降りる」と出ていってしまう。風見は一人で動き始める。翔一の家に行き，母親から話を聞く。翔一は成績も良く１０番以内。家庭では勉強のことを厳しく言っていた。父親も「中学受験を失敗したから」高校はいい学校へ行けるよう厳しかった。ただし，父親と翔一との会話はほとんどなかった。翔一の部屋を見せてもらう。勉強以外はパソコンをいじっているらしい。自分でもＨＰを作っているとか。署に戻り，翔一のＨＰを見てみる風見。そこには「リュウタロウ」が主人公の小説が載っていた。掲示板を覗くと，かなり荒れていた・・・。 少年事件課では，季織・丹波・風見・綴が捜査について会議をしていたが，みんなの意見が対立。バラバラの状態になってしまう。季織が「私がいけないのね。上に立つ能力がないから」とパニックになっていると・・・「冷静になりなさい」と言う声の主は坂上課長。「子どもたちの事件のこと一番わかっているのは誰？子どもたちのこと理解しようとしているところはどこ？ここでしょ。私達は私達のやり方で事件を追いましょう」。 この坂上課長の一言で，それぞれがそれぞれのやり方で動き出した。丹波は，現場となった中学校の屋上にやってきている。綴は，翔一の元へ。退院の準備をしている母親を手伝うが，翔一は宙を見つめているだけ。 風見は学校で清水と会う。そして清水に足が震えたことを告げ，自分のことをいじめていたのかどうか確認をする。「本当にわすれちゃったの？」と驚く清水。「いじめが始まった理由あったじゃない。私達，いじめられた。いじめたからよ，あなたが」と言う清水の言葉に今度は風見が驚いた。何も思い出せない。そして２人は，２人が通った私立中学校へ向かう。「先生に聞けばわかるわ」と清水。事情を聞いた先生は「忘れていた方がいいこともあるんだよ」と言うが，風見は「子どもたちの心を知りたいと思っています。子どもたちの前に，自分のことを知りたいんです。ボクはみんなをいじめたんですか」。「君はまじめでがんばる生徒だった。でもずるさもあった」と話し出す先生。クラスに体の大きい乱暴者の永井と言う生徒がいた。みんながいじめられる中，風見だけがいじめられなかった。それは，うまく取り入って，いつもくっついていたからだ。「一度注意したよね。うそを吹き込んでいじめをあおるのはやめなさいって」。永井の耳元でうそを吹き込んでいた風見。そうすることでご機嫌を取っていた。「ボクが・・みんなを・・・」と風見。永井が問題を起こして退学すると，今度は風見は孤立し，その日から「仕返ししたの」と清水。先生は「仕返しは良くないが，君がしたことは・・・」。この話を聞いた風見は「人ごとみたいだ」とまだ実感できずにいる。「人はイヤなことは忘れたいからね」と先生。一方，丹波は，警察署の前でカレンと出会う。カレンは携帯ストラップの人形に「カレン」と名付け，話しかけていた。 学校のベンチで話をしている風見と清水。まだ呆然としている風見を「私だって隠れて悪いことをしていた。みんなそうだった。受験校だから，友達はみんなライバルだし。親も勉強しろとうるさくて。みんな行き詰まっていた」と清水は慰める。風見は「いじめられたかわいそうなヤツだと思っていた。今までずっと」。少年事件課に戻り，自分の過去を話す。「ＤＡね。乖離性健忘」と綴。乖離性健忘とは，辛かったこと・ショッキングなことを忘れてしまう症状。「風見君は，いじめられたくなくて仕方なくやっていたこと。そっちの方が辛かったんじゃないかな」と綴。坂上課長は「風見君と同じ気持ちの子，今多いよ。自分のやったことを実感していなかったり，自分のことを傍観者のように見ている子」。「翔一くんも妄想にふけっているような目をしていた」と綴。すると今まで黙っていた丹波が「証言にうそがあった。屋上に隠れるところがなかった。それから，あのくらいのガキはもう一人の自分作って遊んでいるぞ。リュウタロウは・・・」。「翔一君？彼がボクと同じだとしたら・・」と風見。 翔一は，自分の部屋で自分のＨＰの掲示板を見ている。相変わらず荒れている掲示板。「リュウタロウは見つかりましたか？」と翔一。風見は，自分がいじめていたことを忘れていたことを話す。「もう一人の自分を隠していた。君もそうなんじゃないか。君の場合は，別の人に置き換えた」。「君がリュウタロウだ」と丹波が告げると「ボクだって怪我をしている」と。丹波はバットを使えば，自分の腕なら可能だと。翔一は必死になってリュウタロウを見た人がいると言い出す。それは他の学校の生徒で「なかざわひかる」と言う名前だと。風見は「そんな子いないよ・・・ポスターの中にしか」。そう彼の部屋の中には，「なかざわ」というサッカー選手のポスターと，「ヒカル」と言う名のアイドルのポスターが貼ってあった。そこへ今野の意識が戻ったという連絡が入る。今野は翔一にやられたと証言した。 翔一を連れて警察署へ。まだ翔一の気持ちを聞き出していないが，一課長が強引に引き取ろうとする。すると季織は法律を持ち出し，１０分の時間制限付きで翔一と話す時間を勝ち取る。しかし，翔一は「あのお姉さんを呼んでください。あのお姉さんなら話します。ボクのこと採点しないって言いました。そんな人初めてでした」と。風見は「呼べない。聞くのはボクだ」。どうしても話し出さない翔一。季織が綴を呼ぼうとすると，風見が止めた。「ボクも採点できない。怒らない・・怒れないんだ。クラスのみんなをいじめていた。でも，殴ったり蹴ったりしていたわけじゃない。乱暴なヤツにくっついていた。機嫌を取って嫌われないようにしてた。そいつにうそをついた。清水が君の悪口言っているよって。永井は清水を蹴った。側で見ていたんだ。オレ言ったんだよ。オイ清水。嘘泣きすんじゃねぇよって。最低だ。汚ねぇよな。人，採点できるわけないだろう。君以下の人間なんだ。こんな所にいる資格ない」と涙をこらえながら席を立つ風見。「子どもの気持ち知りたいとか，立ち直らせたいとか，何言ってんだオレは・・・」。すると翔一が「採点しませんか？うんざりしているんです。点数つけられたり，順位つけられたりするの」と話し出す。「時間がない」と丹波に声をかけられ風見は戻る。 翔一は，幼稚園・小学校と塾に通っていた。風見も季織も同じような環境だった。親は楽しんでいると思っていたが，本当は友達と遊びたかった。中学受験をしたが失敗。でも５校中４校は受かっていたのだった。唯一落ちた学校が，父親が勧めていた学校。「お前失敗作だったかな」と父親に言われた。母親は何も言わなかったが「でも許しません。あの日のこと」。熱を出して夜中母親を呼ぶと，綺麗な服を着て今から中学受験の願書を取りに行くと。父親は遅く帰ってきたから起こしちゃいけない・・・。「このまま一人で死ぬんだなって思いました」。中学に入ってからは，父親の言葉のせいで勉強する気がなくなった。全部白けた。父親はたまに会うと「いい学校へ行ってオレみたいに国を動かすような男になれ」と言っていた。友達もいなかった。リュウタロウの話を始めたのは，友達と話していてこの学校は不良もいなくて地味だという話になった時。「注目集めたくて，リュウタロウって知っている？って話した」。うわさはどんどん広まって，一回りして他の生徒に「リュウタロウって知っている？」と聞かれて驚いた。こんなに盛り上がったのは「ヒーローだったから」。先生を殴ったとか，大人からお金を巻き上げたとか言う話は，みんな喜んでいた。「リュウタロウは僕らの願望。信じればイヤなこと忘れた。強いヤツと一体になった。ボク弱いから」。ＨＰに書いたら，みんなの要求が激しくなった。「殺しをさせろとか」。さすがにそれが理由で人を殺したわけじゃない「現実とうそはわかってる」。今野が疑いだして，ばれないようリュウタロウの事件にしなければならなかった。公園の老人は，風見が疑いだしたから。人を殺すことには迷ったけれど・・・父親のことがよぎった。「金もらっていますよ。家では言っていますから」。もらうだけのことはやっていると言っているのに，ニュースではやっていないと言う。みんなやっているのにどうしてオレだけって家では言っているのに，何もやっていないと。大人はうそつきということはわかっている。そして・・・「興味がなくなって・・大人になることに」「なんで大人になるんですか？なんで年を取らなくちゃいけないんですか？リュウタロウはいいよなぁ，年取らなくて」「死のうと思ったんです。大きくならなくてすむから」。でも一人で死ぬのは怖い。「リュウタロウならどうするかなって。すごい存在あるから」。「今野は削除したかったから」。老人と死のうと思ったけど，やっぱり自分だけ死ねなかった。「みなさんにお願いがあるんです。お父さんみたく大きくならないうちにボクを殺してください・・・」 翔一の父親がやってきた。送検される翔一が部屋から出てくる。すれ違いざま，翔一は父親を見つめるが，目を合わせようとしない父親・・・。 少年事件課。坂上が「風見君どうするの」と聞くと「丹波さんがここにいる限り，お守りしなくちゃ」。「帰って良いよ」と笑いながら坂上。丹波を捜査一課に戻すよう頼んだ。「最後の仕事。季織ちゃん，後頼んだ」と出ていく坂上。丹波が後を追いかける。坂上は辞表を出す決心をしていた。「今回の事件ももっと早くあのこの気持ちに母親が気づいてあげればこんなことにならなかった。側にいて，感じてあげないと」と。すると丹波が「それは違う。父親もいる。オレもなるべく側にいる。いるから・・・今の気持ち忘れないなら」と職場復帰を認めてくれた。ただし・・「警視庁の中に託児所だ！」と意気込んでいる。 帰り支度をしている風見。気が乗らない様子。「やっておく。明日届けてあげる」と綴「ぐずぐずしない！」。「季織ちゃん，まだいるんだよね」と風見が言うと「もっと勉強して，坂上課長のようになりたい」と季織。渋々少年事件課を後にする風見。季織は綴に「送ってあげなさい」と。「坂上課長みたい」と言って綴は風見を追いかける。 「君に感謝している。ちゃんと話せたのは君のおかげかも」と風見。やっと２人も仲直りができた。「事件関係者のカウンセリングって難しいね。がんばって続けてみる」と綴。風見が一人で歩いていくと，丹波が待っていた。「気にすんな。人間みんな，イヤなとこ持っているんだ。良いところだけの人間なんていないし，悪いだけの人間もいない」と丹波。風見は「受け入れます。もう１つのボクを受け入れて，これから仕事していきます」と。「あの少年，どうやって親とつきあって行くんだろう。もうもとの親子に戻れないのかな」と風見が考え込んでいると，カレンがやってきた。保護観察処分が出たらしい。今度はカレンが「お父さん帰ってきたら，私どうしたら・・・これからどうやってお父さんと・・」と悩む。「こいつが答えてくれる」と丹波。風見はしばらく考えて「親のことよく見てつきあうんだ。親は絶対じゃないから」とアドバイス。この言葉に元気に帰っていくカレン。丹波が心配して送っていくことに。 風見が一人街を歩いていくと・・・バットで殴る音と幻の「リュウタロウ」の姿が・・・・ |